ウィリアム・バードイギリス（c.1540-1623） フィリップ・ファン・ヴィルダーフランドル（c.1500-1554） ウィリアム・バード ウィリアム・バード フィリップ・デ・モンテフランドル（1521-1603） ドブリンカ・タバコヴァブルガリア（1980-　） ヤコブス・クレメンス・ノン・パパフランドル（c.1510/15-1555/56） ウィリアム・バード ウィリアム・バード ヤコブス・クレメンス・ノン・パパ ドブリンカ・タバコヴァ フィリップ・デ・モンテ ウィリアム・バード ウィリアム・バード

主よ、起きて、安息所にお入りください おお甘美なまなざし 主よ、激しくお怒りにならないように あなたの聖なる町々は荒野となった おお甘美で優しい方、イエス・キリストよ 主よ、起きて、安息所にお入りください 悲しみと苦悩が 悲しみと苦悩が おお主よ、どうかわたしたちの捕らわれの状態を変えてください わたしは野の花 おお主よ、どうかわたしたちの捕らわれの状態を変えてください バビロンの川のほとりに 異国の地で主の歌を歌えるでしょうか 目をさましていなさい

2023年はバードの没後400年！


　バードByrd^イギリス（c.1543-1623）はカトリック信徒だが、英国国教会に属する英国王室に仕える音楽家として活躍した。そのためカトリック教会と英国国教会の二派の教会音楽に貢献することとなった希有な作曲家。彼は終始カトリックの信仰は揺るがず、迫害の苦しみも味あわざるを得なかった。それでも英国王は彼を離さなかった。ルネサンス最大のイタリアの作曲家パレストリーナ（c.1525-94）と並び立つが、個性が大きく異なる。参考のために無粋な喩えを述べると、優美なバードの音楽を水晶に喩え、理知的できりっとしたパレストリーナの音楽は大理石とでもいおうか。つまり、調性音楽が生まれる寸前のこの二人の音楽は、限りなく純正調の音の響きで作られている。こうしたルネサンス（1400-1600）期の音楽は、バロック（1600-1750）から始まる調性音楽ではなく、旋法音楽であることを押さえておかなければならない。

　このＣＤの収録された曲目を演奏した ザ・シックスティーンThe Sixteenは、『多声聖歌の巡礼 Choral Pilgrimaege』としてライヴ・コンサートを行った。ディスクには『目を凝らしてじっと見つめ A Watchful Gaze』と称して今年（2023年）の没後400年のバードを祝い讃えている。彼らはパレストリーナは含めずバードを中心にフランドルの作曲家と、興味深いことに現在に生きるブルガリアの曲家タバコヴァ（女性）を組み合わせている。

　ザ・シックスティーンThe Sixteenは、古楽、教会音楽をレパートリーとする声楽グループとして1977年に設立された。16人のメンバーを中心としている。現在はヘンデルなどの合唱音楽も管弦楽と共に演奏している。

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