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20世紀の遺産パヴァロッティ礼賛！


　ルチアーノ･パヴァロッティは1935年イタリア、モデナで誕生し、世界を股に掛けて大活躍し、今年70歳を迎える大テノール歌手である。しかし、この数年引退のうわさが取り沙汰され、しかもオペラ出演も見られない。それでも失礼ながら腐っても鯛とは彼のことを言うのであろう、その人気が下がることがない。昨年（2004年）もコンサートを開いてはいるが、やはり衰えは隠せなかった。致し方がないことである。筆者にとっては今までの活躍で充分ではあるが、それでもパヴァロッティの歌を聴きたい気持ちには変わりない。

　彼の声は軽くしなやかで装飾的なレッジェーロ、叙情的なリリコ、劇的で強靭なリリコ･スピント、強大な声と劇的表現に富むドラマティコとほぼすべてのテノールの特性を有している。さらに彼の声は今でもパスタの滑りを感じさせる。当然のことながらイタリア語の響きがすばらしいのである。イタリア人以外にも優れたテノール歌手は多いが、イタリア語の歌となると彼のようにはいかないことは誰もが同意されるだろう。さらにそうしたパヴァロッティの全盛期のライヴ収録による重厚なヴェルディの史劇オペラをここで紹介します。ご賞味あれ！


★　パヴァロッティPavarotti（1935-2007）：2007年９月６日モデナで膵臓癌で死去、享年71歳

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