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ロッテ・デ・ビールの演出


　このオペラは、1818年にナポリで初演されたロッシーニのイタリア･オペラ「エジプトのモーゼ」（３幕）である。ロッシーニのオペラは改作を含めると38作ある。ロッシーニは1824年にパリに活動の場を移し、このオペラを改編しフランス語・４幕にした。フランス･オペラ「モーセとファラオ」は、1827年にパリで初演。このオペラはオペラ･セーリアである。軽妙なオペラ･ブッファが得意だったロッシーニのはばの広さを示している。

　驚きはロッテ・デ・ビールの演出で、彼女と共に舞台を作るのがオランダの演劇集団カンパニー・オテル・モデルンである。さらに大規模な場面を映像（アニメーション）で演出し、並行して旧約聖書の出エジプト記のエジプトでのイスラエル人の物語を表現していく。圧巻は巨大な水族館のインスタレーションを用い、われわれを水中体験をさせてくれる。モーセの紅海を渡ってエジプト脱出を表現していく。ロッシーニのここでの音楽は真に壮大。そしてエジプトの兵士たちが水の中に飲み込まれた後、ただただ静謐な管弦楽が後奏として響き、オペラは閉じられる。

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