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旧約聖書：宇宙と人類の起源
＜天地創造：創世記第１〜２章＞
聖書の宇宙のはじまりの記述は、当然のことながら見たことを記したのではないし、科学的でもなく、歴史的な目で書かれたものではさらさらない。それでも伝えたいメッセージがあった。簡単に言ってしまえばこうではなかろうか。宇宙の起源たる神がこの宇宙を創造したという事項を、宗教的見識や信仰者の目で述べたものである。旧約聖書・創世記の読者、いや語られ歌われた文言を、これを聴くその遊牧民たちは文字を解さないし、宗教的知識も教養もなかったのである。そうした民衆に理解できる語りの様式、民話体で伝えてきたものであった。
記述された天地創造についての考え方は、イスラエル民族のBC2000年からBC1000年の転換期に有していた考え方を反映させている。素朴な宇宙観、様々な古代オリエント民族の神話伝説の様式の混淆がみられる。できるだけ彩りを美しく、同時代の人から理解されるやり方をとった。擬人化、比喩的表現で宗教的真実に近づこうとした。宇宙学の科学や理論的目で見れば、矛盾だらけの文章とも言えるかもしれない。
＜人類の創造と原罪：創世記第３章＞
人類の祖としてアダムとエバと表現している。すべて単純に象徴的に描かれている。そして原罪へと話は進んでいく。人類が有する永遠の課題である深遠にして難解な原罪が、いとも簡単に単純に描かれていく。
＜アダムとエバの子：創世記第４章＞
アダムとエバの息子、兄がカイン、弟がアベルで、カインは農耕を行い、アベルは遊牧を行っていた。“カインは土の実りを主のもとに捧げ物として持って来た。アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。”（創世記４・3-4） 神は、兄カインの捧げた農耕物をよしとされた。この兄をうらやんだ弟カインは殺してしまう。“主は言われた。「何ということをしたのか。（略）お前は地上をさまよい、さすらうものとなる。」カインは主に言った。「わたしの罪は重すぎて負いきれません。（略）」”（創世記４・10、12-13）” それでもカインは神に守られ、“カインは主の前を去り、エデンの東、ノド（さすらい）の地に住んだ。”（創世記４・16）
1998-2024
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