ほんとのホワイト･クリスマス
久しくホワイト･クリスマスを見ていない。そう、初めてで最後になりそうな33年前のホワイト･クリスマスが思い出される。秋田の友人宅に行った。カマクラ
（雪で造る室）で有名な横手に近い十文字駅に夜行の旅を終えて降り立ち、目を廻してしまった。一面白銀の世界だった！ ゴム長靴を履いて白銀を踏んだ。何処もかも真っ白で眩しい。今はもう改築したそうだが、典型的な旧家造りにまたびっくり。お風呂に入ってまたまたびっくり。つまりお勝手のカマドの横に大きな釜があるではないか。そこへ入るのだと。とにかく寒いなんてものでない寒さの中で服を脱ぎ、五衛門の底板と我が身を湯に沈めるだけ。湯から出て洗うなんて考えも浮かばなかった。
さて、クリスマスのミサは横手教会。厳格に午前０時に始められた。10数畳位の畳敷きの聖堂に石炭ストーブがガンガン焚かれ、友人と侍者をした。ドイツの神父さんのむつかしい説教中、正座の二人はコクリコクリと舟を漕いで、こともあろうに聖なる馬小屋に手を突っ込んでしまったのだ！ かくして聖歌が歌われたが、「しぃ〜ずぅ〜けぇ〜きぃ〜、まよなぁ〜かぁ〜♪」
（カトリック聖歌集111番）とシスター
（すぃすぅた）はじめ信徒一同の名調子！？ まんずおったまげだごどですぃた。こうして難解な秋田語も一週間のホーム･ステイの結果、ヒヤリングは大体ＯＫだっしぃた。ああ、なつかしきほんとのホワイト･クリスマス！ では皆さん、よい降誕祭を！
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