ネトレプコにブラーヴァっ！！

ＤＶＤ　ⅮＹＮⅮⅤⅮ３７９８７

ドニゼッティ　オペラ「キアラとセラフィーナ」

セスト・クアトリーニ指揮
オーケストラ・リ・オリジナーリ（古楽器）
スカラ座アカデミア合唱団

キアラ
セラフィーナ
ドン・メスキーノ
ドン・アルヴァロ
ドン・フェルナンド
ドン・ラミーロ
ピカロ
リゼッタ
アニェーゼ
スパラトロ
ジェンナーロ

グレタ・ドヴェーリ（S）
ファン・ジョウ（Ms）
ピエトロ・スパニョーリ（Br）
マティアス・モンカーダ（Bs）
マティアス・モンカーダ（Bs）
ヒョンソ・ダヴィデ・パク（T）
スンファン・ダミエン・パク（Br）
バレンティーナ・プルジニコワ（A）
マーラ・ガウデンジ（Ms）
アンドレア・タンジッロ（T）
ジュゼッペ・デ・ルーカ（Bs）

収録：2022/12/4イタリア、ベルガモ、ドニゼッティ音楽祭ライヴ　　発売：2024/2/22

失敗は成功のもたらした？！

　ドニゼッティ（1797-1848）は初期ロマン派のイタリア･オペラを支え、後代に大きな影響を与えた。ヴェルディの大成も彼無くしては考えられない。軽妙なオペラ･ブッファと歴史物を扱ったオペラ･セーリアにおいても優れた腕前を発揮した。70にのぼるオペラを残し、それは優れたアリアと重唱で構成されている。

　1822年の作曲、２幕のオペラ・セミセーリア「キアラとセラフィーナ、または海賊たち」とドニゼッティは記している。1822年10月26日、ミラノ、スカラ座での初演だった。オペラ・セミセーリアとドニゼッティはこのオペラ「キアラとセラフィーナ」をオペラ・ブッファでもオペラ・セーリアでもない、どちらも持ち合わせているオペラ・セミセーリアと分類した。これは一丁両得を狙った25歳になるひと月の前のドニゼッティの画策だったのか？！　

　台本はフェリーチェ・ロマーニ。台本が遅れ、ドニゼッティは作曲には時間が無く、リハ－サルも時間も無く、最悪条件で1822年10月26日スカラ座で迎え、このオペラはなんとお蔵入りとなった。時は流れ、20年の歳月を経て2022年12月４日にベルガモ（ドニゼッティの生地。筆者も残された彼の生家を訪れたことがある）、ドニゼッティ音楽祭での復活上演となったのが,本ディスクです！　そして19世紀のピリオド楽器の管弦楽<リ・オリジナーリ>と、バリトン歌手ピエトロ・スパンニョーリとスカラ座若手歌手によってキャスティングされている！　若きドニゼッティの音楽がここに蘇っている。まさしく大失敗から200年目の大挙です！