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| チレア 1910年撮影 |
驚きの新演出！
チレアイタリア（1866-1950）は生涯に５作のオペラを作曲し、大成功を収めた第４番目のオペラ
「アドリアーナ･ルクブール」（1902年初演）に続き、彼の最後オペラとなる
「グロリア」（1907年初演）がトスカニーニ指揮によってミラノ、スカラ座で初演された。だが、失敗に終わり、チレアは筆を折ってしまうほどだった。その後、音楽出版社の強い要望で
「グロリア」の大幅な改定を行い、1932年ナポリで再演された。好評を得たが、イタリアの時局の影響もあって、歌劇場の出し物として定着できなかった。今回、埋もれた作品を蘇演に旺盛に展開するサルデーニャのカリアリ歌劇場での上演となった。これを機に評価が定まるのを願っている。
このオペラはイタリア・オペラの伝統を受け継ぐ流麗さと、洗練された色彩的な管弦楽書法が優れたチレアの名作である。物語はカトリック聖職者の叙任権を巡る教皇派と皇帝派の対立抗争に揺れる14世紀イタリアが舞台。この対立抗争に巻き込まれれる愛し合う教皇派シエナの首長の娘グロリアと皇帝派の司令官リオネットの愛の物語だったが、われわれには劇性に欠け、捉えにくい題材といえる。今現在のわれわれの時代的センスにも合ってもいない。今回のアントニオ・アルバネーゼの演出は、時代設定を中世から古代に置き換えた。これがスペクタルナ効果をこのオペラにもたらした。加えて近現代の作品を得意とする指揮者フランチェスコ・チッルッフォは、カリアリ歌劇場の管弦楽団をすばらしく導き、このオペラに新しい輝きをもたらした。
チレア ／20世紀音楽の様相 20世紀年表
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